「あの設備、いま動いているのか」——それを確かめるために、わざわざ現場へ見に行く。大阪・東大阪をはじめ、関西の中小製造業でよく聞くお悩みです。人手が限られるなかで、この「見に行く時間」と「気づいたら止まっていた」の積み重ねは、地味に利益を削っていきます。
この記事では、私たちが2020年頃から取り組んできた画像認識の実装経験をもとに、中小の町工場が大きな投資をせずにAIで稼働管理を始める方法を、具体的に解説します。
そもそも「稼働管理」で、何が変わるのか
稼働状況が見えていないと、次のような損失が起きています。
- ボトルネックが分からない:どの設備・工程で止まっているのかが感覚頼みになる
- 停止に気づくのが遅れる:異常や段取り待ちで止まっても、しばらく放置される
- 改善の効果が測れない:「たぶん良くなった」で終わり、次の一手につながらない
逆に、稼働が数値で見えると「どこを直せば一番効くか」が分かります。まずは現状を知ることが、すべての改善の出発点です。
カメラ映像から、AIで稼働を認識する(具体例)
ポイントは、既存のカメラ映像を活かせること。新たに大がかりなIoTセンサーを設備に取り付ける工事をしなくても、始められるケースが多くあります。
- シグナルタワー(パトライト)の色をAIが判定:緑=稼働/赤=停止/黄=異常、を映像から自動で記録
- ワークや人の動きの有無を認識:ラインが流れているか、作業が行われているかを判定
- 記録したデータを時間帯・設備ごとに可視化:停止が多い時間、偏りが一目で分かる
「人が定期的に見回って紙に記録する」を、AIが24時間続けてくれるイメージです。
導入の4ステップ(小さく始めるのが鉄則)
- 目的を1つに絞る:「この1台の停止時間を減らす」など、対象と目標を具体的に
- 映像を確保する:既存カメラ、または安価なネットワークカメラを1台
- AIで認識し、記録・可視化する:稼働/停止のデータを自動で貯める
- データを見て改善→効果を確認→横展開:段取りや人員配置を見直し、効いたら次の設備へ
いきなり全ラインではなく、まず1台・1工程から。効果を確かめてから広げるのが、中小製造業には最も現実的で失敗しにくい進め方です。
費用と補助金の考え方
スモールスタートなら初期費用は抑えられます。加えて、中小製造業の設備・IT投資には使える可能性のある補助金制度があります。
- ものづくり補助金(革新的な設備・システム投資)
- IT導入補助金(業務効率化のためのITツール)
- 省エネ関連の補助金(稼働の最適化は省エネにもつながる)
※ 公募の時期・要件・金額は年度で変わります。補助金ありきにせず、「投資を回収できる範囲」で小さく始め、制度が使えれば活用する——この順番が安全です。
つまずきやすいポイント
- 「全部いっぺんに」で頓挫:欲張らず1台から。成功体験を先に作る
- 現場が使わない:数字は、現場が一目で分かる形にして初めて活きる(ここは私たちのデザインの得意分野です)
- 目的が曖昧:「何の数字を良くするのか」を先に決める。決めれば、必要なものは自然と絞れる
こんな会社に向いています
- 人手が限られ、見回りや記録に時間を取られている
- 設備の停止・非効率に心当たりがあるが、実態がつかめていない
- 大きな投資はまだ難しいが、小さく試して確かめたい
まとめ
- 稼働管理の第一歩は「現状を数値で知る」こと
- 既存のカメラ映像 × AI なら、大きな工事なしで始められる
- 1台・1工程から小さく始め、効果を見て広げる
- 補助金は「使えたら活用」。回収できる範囲で始めるのが安全
関西エリアは、常駐スタッフが対応します
私たちのオフィス拠点は山口・東京ですが、関西には常駐スタッフが在籍しています。オンラインはもちろん、現地での対面のご相談・訪問にも対応できます。「何から始めればいいか分からない」という段階から、御社の設備・工程に合わせて一緒に見極めます。
まずはお気軽にご相談ください。AIへの取り組みや伴走事例もあわせてご覧いただけます。