京都には、精密機器・電子部品・伝統産業を支える機械金属加工など、独自の技術を持つものづくり企業が数多くあります。多品種少量、あるいは一点ものに近い生産だからこそ、「設備が突然止まった」ときの納期・品質への影響は小さくありません。保全に割ける人手も限られるなか、「壊れてから直す」の繰り返しになりがちなお悩みは、この地域でもよく聞きます。
この記事では、予知保全とは何かを整理したうえで、私たちが2020年頃から取り組んできた稼働の見える化・画像認識の経験をふまえ、京都のものづくり企業に向けた現実的な進め方を正直にお伝えします。
「予知保全」とは
設備保全のやり方は、大きく3つに分けられます。
- 事後保全(BM):壊れてから直す。突発停止が避けられず、ダウンタイムが読めない
- 予防保全(PM):時間や使用回数を基準に、定期的に部品交換・点検を行う。まだ使える部品まで交換する「過剰保全」のムダが出やすい
- 予知保全(PdM):設備の状態(振動・温度・電流・音・画像など)を常に見て、劣化の兆候をつかんでから、必要なときだけ手を打つ
予知保全のねらいは、「壊れてから」でも「決まった時期に一律」でもなく、ちょうどよいタイミングで保全すること。突発停止のリスクと過剰交換のムダ、その両方を減らせるのが最大の価値です。
AI・デジタルで予知保全はこう変わる
設備の状態を人が四六時中見張るのは現実的ではありません。ここでデジタルとAIが効きます。
- 正常な状態を学習し、そこからの「ズレ」を検知する(異常検知):故障事例が少なくても、正常データを基準にすれば兆候をつかめる
- 劣化の傾向を捉える:温度や振動が少しずつ上がる、といったトレンドを可視化し、早めに気づく
- 画像で状態を捉える:摩耗・汚れ・ベルトのたわみなど、目に見える変化をカメラで記録・判定する
正直にお伝えすると、「いつ壊れるか」を高い精度で言い当てる高度な故障予測は、十分なデータと時間を要します。だからこそ、まず状態が見える状態をつくることが先決です。
取り組み方・ステップ(見える化から段階的に)
- 稼働を見える化する:まずは「動いている/止まっている」をカメラ映像などで記録する
- 状態データを貯める:温度・振動などのセンサー、または画像で、正常なときの状態を蓄積する
- 異常検知を試す:正常からのズレを拾えるか、1台の設備で小さく検証する
- 予兆をつかんで保全につなげる:兆候が出たら点検・交換し、結果を記録して精度を育てる
多品種少量の生産ラインでは、まず一番止まると困る1台から。データが貯まるほど、予測は現実味を帯びてきます。
費用と補助金の考え方
- ものづくり補助金(革新的な設備・システム投資)
- IT導入補助金(業務効率化のためのITツール)
- 京都府・京都市が製造業向けに設ける独自の支援制度が使える場合もあります
※ 公募の時期・要件・金額は年度で変わります。補助金ありきにせず、回収できる範囲で小さく始めるのが安全です。
つまずきやすいポイント
- データがないまま予測を求める:正常データすら貯まっていない現場が多い。まず記録から
- いきなり「壊れる日」を当てにいく:残存寿命の予測は最終形。まずは異常の早期発見だけでも大きな価値がある
- 現場が数字を見ない:状態は現場が一目で分かる形にして初めて活きる(デザインは私たちの得意分野です)
こんな会社に向いています
- 設備の突発停止が、納期や品質に響いている
- 保全の判断が特定のベテランに依存している
- 多品種少量で、1台1台の停止インパクトが大きい
まとめ
- 予知保全は「状態を見て、ちょうどよいタイミングで手を打つ」保全
- AIは正常からのズレを捉える異常検知が現実的な入り口
- まず稼働・状態の見える化から。1台・1故障で小さく始める
- 補助金は「使えたら活用」。回収できる範囲で始める
関西エリアは、常駐スタッフが対応します
私たちのオフィス拠点は山口・東京ですが、関西には常駐スタッフが在籍しています。オンラインはもちろん、現地での対面のご相談・訪問にも対応できます。「センサーが要るのか、いまのカメラで足りるのか」という段階から、御社の設備に合わせて一緒に見極めます。
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